デジタル変調方式には、いろいろあります。
搬送波(キャリア)の振幅を変化させ、振幅にデジタル情報を乗せるASK(Amplitude Shift Keying)や、搬送波の周波数を変化させ、周波数にデジタル情報を乗せるFSK(Frequency Shift Keying)があります。
これ以外には、搬送波の位相を変化させ、位相に何らかの意味を持たせ、位相にデジタル情報を乗せる位相変調があります。
デジタル回路との相性が良い位相変調の変調方式の一つにPSK(Phase Shift Keying)があります。
このPSKもデジタル変調の変調方式の一つです。
PSKは、前述のASKやFSKとも異なり、搬送波の位相を変化させ、搬送波の位相差を情報の識別に利用します。
つまり、波形をチェックして位相に変化がなければ0とし、位相差が生じるという変化があったら1とすることで、1と0で構成されたデジタル情報を送信します。
搬送波の位相を変化させるPSK変調には、搬送波の2つの位相の変化だけで2値(2つの情報)を表すBPSK(Binary Phase Shift Keying)と、4つの位相の変化で4値(4つの情報)を2ビットで表せるQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)という方式があります。
これらのデジタル位相変調方式は、IEEE802.11gやIEEE802.11aなどの無線LAN規格で使用されています。
通信速度の理論値が54MbpsのIEEE802.11gやIEEE802.11aでは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)という伝送方式が使用されています。
OFDMでは、多数の搬送波をまとめて並列に送信し、送信前にそれぞれの搬送波を変調します。
無線LANの場合、変調する際、通信速度によっていろいろな方式が使用されます。
通信速度が54Mbpsと48Mbpsでは64QAM、36Mbpsと24Mbpsでは16QAM、18Mbpsと12MbpsではQPSK、最も遅い9Mbpsと6MbpsではBPSKが使用されます。
無線LAN以外には、デジタル放送や携帯電話にも使用されています。
QPSKは、CSデジタルのようなデジタル衛星放送や地デジ(地上デジタル)におけるキャリア変調方式の一つとして使用されています。
QPSK
QAM
OFDM
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IEEE802.11a
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