LLC副層について説明する前にOSI参照モデルにおけるデータリンク層の構造について解説する必要があります。
以下の表では、OSI参照モデルの階層を下位3階層のみに限定して示しました。上位階層は省略しました。
レイヤ3 | ネットワーク層 | ||||
レイヤ2 |
| ||||
レイヤ1 | 物理層 |
御覧のように、レイヤ2のデータリンク層には、2つのサブレイヤ(副層)があります。
2つの副層の内、上の階層に位置するLLC副層は、論理リンク制御副層とも言い、英語でLogical Link Control SubLayerと訳されます。
物理層には、イーサーネット以外にも、トークンリング(IEEE802.5)、トークンバス(IEEE802.4)、無線LAN(IEEE802.11)、FDDIなどがあります。
LLC副層では、このような物理層の違いや通信機器の違いも区別しなくても済むように、物理的な媒体を扱えるような仕組みを提供しています。
イーサーネットでも、10 BASE 5、10 BASE 2、10 BASE-Tなどの違いや中継装置の違いも区別しなくても済むようになっています。
LLC副層は、これらの違いを区別しなくてもその上の階層であるネットワーク層に位置する異なるプロトコルともデータのやり取りができる機能を提供しています。
LLC副層は、物理的な部分は下の階層のプロトコルに任せ、上の階層(ネットワーク層)とのやり取りも含めて論理的な部分を担当し、他にビットエラーのチェック程度のことを行っています。
ネットワーク層とLLC副層との間では、LSAP(Link Service Access Point)と呼ばれるこの2つの境界の論理アドレスを使用して相互にデータのやりとりをします。
LANの標準化を行っているIEEE802委員会という組織には、16のワーキンググループがあり、この内、LLC副層はIEEE802.2というグループで策定されたものです。
この組織では、データリンク層をその中で上位の階層に位置するLLC副層と、下位の階層に位置するMAC副層を別々に標準化しています。
LLC副層とIEEE802.3仕様のフレームに関する詳細は、以下のページで参照できます。
イーサーネット
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