UDP(User Datagram Protocol)は、OSI参照モデルにおけるレイヤ4のトランスポート層のプロトコルです。
UDPは、一つ下の階層のレイヤ3(ネットワーク層)のIPと一つ上の階層のレイヤ5のセション層との間に入って情報の中継の役割を果たします。
UDPでは、アプリケーションプログラムからデータを貰うと、UDPデータグラムと呼ばれるパケットのようなデータの塊に分割します。
UDPデータグラムは、IPで言えばIPパケットのようなものです。
このUDPデータグラムにUDPヘッダー(表1)というタグやラベルのようなものを頭に付けて、下位のレイヤに相当するIPに渡して送信されます。
受信した後は、下位のレイヤ(IP)からIPヘッダーをカットされたUDPデータグラムが渡されてきます。
UDPでは、このUDPデータグラムに記述されている宛先ポート番号を見て適切なアプリケーションプログラムにデータを渡す役割を果たします。
おおざっぱに言うと、UDPというプロトコルはだいたいこんなことをしています。
実際は、ポート番号で通信対象のアプリケーションプログラムを識別できるサービスを提供するくらいのことしかしていません。
従って、正しくUDPデータグラムが順番に送信されてきたかどうかを判断するすべもありません。
この点では、下位レイヤのプロトコルであるIPと変わりありません。
従って、TCPのような伝送制御手順は一切ありません。
それでは、UDPヘッダーについて説明します。
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データ(ない場合もある) (可変長) |
表1
UDP擬似ヘッダーの先頭からの位置 | 長さ(オクテット) | 項目内容 |
---|---|---|
0 | 4 | 送信元IPアドレス |
4 | 4 | 宛先IPアドレス |
8 | 1 | パディング(未使用:0) |
9 | 1 | プロトコル番号(UDPを表す番号:17) |
11 | 2 | UDPデータグラムの長さ(UDPヘッダーを含む) |
UDPヘッダーは、チェックサムまでです。
それに続く領域は、可変長のデータとなり、実際にデータがない場合もあります。
UDPについては、RFC768に記載されています。
RFCの詳細は、以下のサイトで御覧下さい。
IETF RFC Page
JPNIC RFC-JP(社団法人:日本ネットワークインフォメーションセンター)
RFC768(英文)
UDPヘッダーに続くデータの領域には、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)、DNS(Domain Name System)、RIP(Routing Information Protocol)などの代表的な上位レイヤのプロトコルがあります。
DNSでは、ポート番号は53、RIPでは、ポート番号は520となります。
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