ブロードバンドルーターは、読んで字のごとくルーターの仲間です。
このページを今御覧の方も御使いになったことがあるかもしれませんが、ISDNルーターを以前はよく使っていました。
企業だけではなく、個人でも使っていた人もいるかと思います。
当サイト(LAN技術研究室)の管理人である私(ケロ丸)も以前は使っていました。
ISDNや、それ以前の公衆線とモデムを使った128Kbps以下の低速な通信回線をナローバンドと言います。
このナローバンドの対義語としてブロードバンドがあります。
ブロードバンドは、だいたい500Kbps以上の通信回線を言います。
また、このような高速回線を使って大容量のデータを利用できる次世代の通信サービスを指す場合もあります。
現在、利用されているブロードバンドルーターは、こうしたブロードバンドに対応できるようになっています。
家庭で使われているISDNルーターは、せいぜい64Kbps、公衆線に接続していたFAXモデムなどでは速くて56Kbps程度でした。
これに対して、ブロードバンドルーターとADSLモデムの組み合わせでは、1.5Mbps以上の高速通信が可能です。
FTTH(光ファイバー)を使用した光接続なら、100Mbps(理論値)の超高速通信になります。
平均実効速度では、その半分もないくらいですが、それでもかなりの高速通信が可能で、ADSLよりもずっと速いです。
光ファイバー以外には、CATVもありますが、これらもすべてブロードバンドに含まれます。
上の図のように、ブロードバンドルーターはLANとWANを中継します。
上の図では、省略していますが、厳密にいうと、ブロードバンドルーターとWAN側回線の間に、例えばADSLならADSLモデムが入ります。
ADSLモデムとブロードバンドルーターの間は、LAN側と同じようにイーサーネットです。
ただし、この間はPPPoE(PPP over Ethernet)というプロトコルを使用しています。
PPP over Ethernetは、WANではなく、イーサーネット上にPPP(Point to Point Protocol)を利用できるようにしたプロトコルです。
元々PPPは、インターネットのダイヤルアップ接続に利用されるプロトコルです。
PPPは、OSI参照モデルにおけるレイヤ2(データリンク層)に位置するプロトコルです。
本来WANで使うためにあるPPPをイーサーネットで利用できるようにしました。
ADSLモデムとブロードバンドルーターを接続する場合、ADSLモデムをブリッジとして機能させます。
ブロードバンドルーターは、今では非常に価格が下がりました。
4000円〜5000円くらいで買える製品もあります。
普通企業で使われているようなルーターとは、大きさも価格も全然違います。
低価格なブロードバンドルーターは、主に個人やSOHOで利用されています。
ブロードバンドルーターのハードウェアの構造はシンプルですが、意外と多くの機能があります。
スイッチングハブ、ファイアーウォールのようなセキュリティ機能、NATの拡張である静的IPマスカレード、UPnP、DHCPサーバー、DMZなどの機能があります。
IPマスカレードによって、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換し、複数のコンピュータでインターネットを同時に利用できるようになります。
静的IPマスカレードの機能もあるので、プライベートIPアドレスが割り当てられているWebサーバーなどにIPパケットを着信させることができます。
DHCPサーバーの機能があるので、プライベートIPアドレスをLAN側の各ノードに自動的に割り当ててくれます。
これのおかげでTCP/IPについてほとんど知らなくてもインターネットに接続できてしまうほど楽です。
スイッチングハブの機能があるので、ポートに何台もパソコンを接続できます。
たいていブロードバンドルーターの場合、4ポートくらいのスイッチングハブになっています。
ファイアーウォールの機能があると、通したくないTCPまたはUDPポートの通信を遮断することもできます。
例えば、Webサーバーだけを通したければ80のポート番号以外は遮断してしまうこともできます。
このようなフィルタリング機能によって、不正アクセスを防ぐことができるので、セキュリティ上望ましいことになります。
UPnP(Universal Plug and Play)は、イーサーネットや無線LANなどの様々な機器を接続するだけで装置を認識し、すぐにネットワーク上で利用できるようにする技術を言います。
これのおかげで、ネットワーク機器をいっそう扱いやすくしています。
DMZ(DeMilitarized Zone)に対応しているブロードバンドルーターもあります。
DMZは、ディーエムジーと読み、ネットワーク上の非武装地帯を言います。
DMZは、インターネットとLANの間に作られます。
DMZは、公開したいWebサーバーなどを設置する領域を指します。
ここに公開するサーバーには多少リスクが伴いますが、ファイアーウォールと呼ばれるコンピュータを別途用意するため、企業のプライベートIPアドレスのLANの安全は確保されることになります。
低価格の割には、結構機能が豊富です。
ブロードバンドルーターの設定は、ブラウザで簡単にできるので便利です。
ブロードバンドルーターには、個人用だけではなく、企業向けもあります。
ADSLやFTTHに関する詳細は、以下のページで参照できます。
ADSLとFTTHについて
IPマスカレードに関する詳細は、以下のページで参照できます。
NATとNAPT(IPマスカレード,NAT+,NATe,エンハンスドNAT)の基礎
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