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LANの初歩

10ギガビットイーサーネット10 Gigabit Ethernet)の仕組み

LANの歴史がまた塗り変えられようとしています。
LANというより、そのハードウェア規格であるイーサーネットの歴史が塗り変えられる時が来たようです。
イーサーネットもついに10ギガビットイーサーネットの時代を迎えるようになりました。
10ギガビットイーサーネットは、1秒間に10ギガビットという驚異的な伝送能力を持つ次世代のイーサーネット規格です。
10ギガビットイーサーネットは、過去の衣を脱ぎ捨てて、まったく新しい次世代規格として生まれ変わりました。
10ギガビットイーサーネットは、あまりにも高速なので、送信が終わる前にコリジョン衝突)を検出できないことから、従来のCSMA/CD方式を受け継ぐことができませんでした。
10ギガビットイーサーネットでは、半二重通信は利用されず、全二重だけで通信を行うという特徴を持っています。
10ギガビットイーサーネットは、こういうことから次世代規格として生まれ変わったわけです。
製品カタログ、ホームページ、LAN関連の本などを見ると、最近10GbEという文字を見るが、これは10 Gigabit Ethernetの略で、10ギガビットイーサーネットのことです。
伝送速度があまりにも高速なので、10ギガビットイーサーネットでは、LANケーブルに関しては、主に光ファイバーシ−スと呼ばれる保護被膜で周囲を覆った光ケーブルが利用されます。
シ−スは、UTPケーブルSTPケーブルにもあります。
光ケーブルは、光ファイバーケーブルOptical Fiber Cable)とも呼ばれます。
光ケーブルは非常に高価で、従来のLANで通常使用するUTPケーブルとはかなり差があります。
光ケーブルは、安きものでも5000円以上、高いものなら2万円以上もします。
光ケーブルでは、長さは通常販売されているもので1.5m,3m,5m,10mなどがあります。
しかし、10ギガビットイーサーネットでは、ケーブル内部で銅線を2組ずつ撚ってあるUTPケーブルのようなツイストペアケーブルや、撚りがない単線のケーブルにも対応しています。
10ギガビットイーサーネットでも10G BASE-Tを使用したい場合は、LANケーブルは、10G BASE-Tに対応したCAT6eエンハンスドカテゴリ6)か、CAT6aオーグメンテッドカテゴリ6)か、最新のCAT7カテゴリ7)などを使用する必要があります。

10ギガビットイーサーネットは、伝送媒体、伝送速度、伝送距離によって規格が幾つか分類されます。

  1. 10G BASE-T


  2. ツイストペアケーブルや単線のケーブルが使用できます。
    CAT6eCAT6aCAT7に対応したLANケーブルを使用する必要があります。
    CAT6aCAT7では、100m以下のケーブル長で、CAT6eでは、55m以下のケーブル長です。
    この仕様の規格は、IEEE802.3anとして2006年に標準化されました。
    ちなみに、CAT6aでは、ケーブル内部の構造を改良し、ノイズの影響を抑える工夫を施しています。
    カテゴリは、UTPケーブルSTPケーブルの品質を表しています。
    また、らせん状に銅線を何回束ねてある(何回よってある)かを知る上での基準を示しています。
    カテゴリとそれに続く番号が大きいと、品質が向上し、銅線をよってある数が多いということを意味しています。
    カテゴリとそれに続く番号は、現在市販されているもので1〜7まであります。

  3. 10G BASE-W


  4. WANに対応した規格で、伝送速度は9.95Gbpsです。

  5. 10G BASE-R


  6. LANMANメトロポリタンエリアネットワーク)に対応した規格で、伝送速度は10.3Gbpsです。

  7. 10G BASE-SR


  8. マルチモード光ケーブルで、ケーブル長は300mです。
    この仕様の規格は、IEEE802.3aeとして標準化されました。

  9. 10G BASE-LR


  10. シングルモード光ケーブルで、ケーブル長は10kmです。
    この仕様の規格は、IEEE802.3aeとして標準化されました。

他にもまだ幾つか規格がありますが、当サイトでは省略します。

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