アロハネットと呼ばれるこの無線通信技術を元に誕生したイーサーネットは、無線に代わり同軸ケーブルを使用したものでした。
イーサーネットは、ゼロックスなど数社の共同の改良作業によって実用化され、現在に至りました。
そのため、イーサーネットと言えば、今のLANのハードウェア規格のことを指します。
このイーサーネットの制御方式を搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式と言い、英語で正確に言うと、Carrier Sense Multiple Access with Collision Detectionと言い、その略称がCSMA/CDです。
CSMA/CDと呼ばれるアクセス制御方式の概要は以下のとおりです。
例えばあるパソコンから出た信号は、同じケーブルに繋がっていればすべてのパソコンに伝わります。
この時、他のパソコンが発信していないかことを確認してから信号を出すという方法を採ります。
これをキャリア・センスと呼びます。
こういうプロトコルを決めておくと、複数のパソコンが互いに発信して、信号同士が衝突することを防げます。
しかし、あるパソコンが仮にケーブルに信号が出ていないことを確認しても、タイミングが悪く2台のパソコンが同時に信号を出せば、信号がケーブルの中で衝突し、異常な電圧が発生します。
そこで、このような電圧異常を検出し、このような電圧異常が起きたことをパソコンも含めた通信機器同士の信号衝突と見なし、発信するのをしばらく待って後で再送します。
このような仕組みは前述のアロハシステムにはなく、イーサーネットらしさが出ている部分と言えます。
このような衝突の検出をコリジョン・ディテクションと言います。
また、前述のマルチプル・アクセスに関しては以下のようになります。
LANのケーブル上に信号(キャリア)が出ているかどうかをチェックする前述のキャリア・センスを行う際、ケーブルに接続されているすべてのパソコンは、自分宛の信号が来るかどうかを待ちます。
このことをマルチプル・アクセスと言います。
マルチプルは、この場合複数のパソコンを指します。
CSMA/CDは、LANの標準化を行っているIEEE802委員会という組織の16のワーキンググループの内、IEEE802.3というグループで策定されたものです。
IEEEとは、米国電気電子技術者協会のことです。
CSMA/CDは、OSI参照モデルで言うと、MAC層と物理層に相当します。
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